2025年の COMPUTEX(台北)は「AI NEXT」を軸に開催され、AIコンピューティングから次世代モビリティ、通信、グリーンテックまで幅広いテーマでの発表が集中しました。会期中の主要キーノートや企業プレスリリースを見ると、単なるPCパーツの展示会から「AIを中心に据えた産業プラットフォームの祭典」へと明確に位置づけ直された年だったと言えます。computextaipei.com.twInnoVEX
開催規模と基礎情報
公式のまとめによれば、COMPUTEX 2025は世界152か国から来場者が集まり、8万名超の来場を記録したとされます(主催側発表)。展示会の開催期間やキーノートは5月中旬〜下旬に集中しており、企業各社はプレイベントや基調講演で主要製品を発表しました。computextaipei.com.twevents.computextaipei.com.tw
キーノート/プラットフォーム戦略の潮流:NVIDIAの「AIエコシステム強化」
NVIDIAは創業者兼CEOジェンセン・フアンの基調講演で、AIインフラとエコシステムの強化を再び前面に出しました。単体GPUの発表にとどまらず、パートナーやカスタムASICをNVIDIAのプラットフォームへ統合する取り組み(エコシステム接続の拡張)など、データセンターやエッジ向けの包括的戦略が示された点が目を引きます。基調講演はCOMPUTEX期間中の主要イベントとして広く報道されました。NVIDIAYouTube
AMD:ゲーミング〜プロ市場まで“CPU/GPU世代交代”の発表
AMDはRadeonの新ラインやRyzen/Threadripperの上位モデルを含む一連の発表を行い、ゲーミング向けの「Radeon RX 9060 XT」や、ワークステーション向けの「Threadripper 9000シリーズ」「Radeon AI PRO R9700」などを披露しました。要点は「ゲーミング性能の底上げ」と「ローカルAI処理(オンデバイスAI)への公式対応を強化」していることです。プロ用途でのAI推論やクリエイティブワークフローの高速化が狙いと読み取れます。Advanced Micro Devices, Inc.AIMagazine
Intel:プロフェッショナル向けGPUとAIアクセラレータの拡充
IntelはCOMPUTEXに合わせて、ワークステーション/AI推論向けのArc Pro系GPU(B60/B50など)を発表。製品ページやプレスキットでは、より大容量メモリ構成やソフトウェア対応の拡張が強調され、プロ向けグラフィックスとAI推論領域での競争参入が明確になりました。Newsroomインテル
ASUS/ROG:体験型展示とゲーミング周辺の新製品群
ASUSは「ROG Lab」という実験的・体験型ブースで、ゲーミングPCや周辺機器、AIを絡めたデモを展開。ゲーミングキーボードやマウス、モニタに加え、AIを活用した新しいデモ演出(アバターやライティング制御など)で“体験”にフォーカスした展示を行い、ブランドの方向性を「単体ハードから体験価値へ」移行させているのが印象的でした。ASUS プレスルーム+1
トレンドまとめ(短く俯瞰)
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「AIのプラットフォーム化」:ハード(GPU/AIアクセラレータ)とソフト(SDK/エコシステム)をセットで示す発表が中心。NVIDIAの基調講演やAMD/Intelの製品群からも明確に読み取れます。NVIDIAAdvanced Micro Devices, Inc.
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「オンデバイスAIの強化」:Radeon AIや各社のAI対応がローカル処理を重視しており、エッジ〜PCクラスでのAI活用が一般化し始めている兆候。Advanced Micro Devices, Inc.
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「体験価値(体感デモ)の重視」:ASUSのROG Labに代表されるように、展示会は“見せる/触らせる”コンテンツで来場者を惹きつける方向へ。ASUS プレスルーム
各セグメントへの示唆(読者向け)
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ゲーマー/クリエイター:GPUの世代更新やAIアップスケーリング(FSR4 等)の進化により、ミドル帯でも体感できる性能向上が期待できます。新GPU発表は価格・供給面を注視すると良いでしょう。Advanced Micro Devices, Inc.
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仕事で使うプロユーザー:IntelのArc Pro強化やAMDのThreadripper更新は、ワークステーション領域での選択肢を拡げます。AI推論やレンダリングのワークフロー改善が見込まれるため、導入検討は早めの情報収集が吉です。NewsroomAdvanced Micro Devices, Inc.
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業界関係者/投資家視点:COMPUTEXは台湾をハブにしたグローバルサプライチェーンの現況が可視化される場です。AI投資の波は引き続き半導体と周辺エコシステムを牽引しています。computextaipei.com.tw
最後に(まとめ)
Computex 2025は、単なる“PCの新製品発表会”ではなく、AIを中心とした産業の再配置を示すイベントになりました。主要ベンダーはハード/ソフト/体験を組み合わせ、AIを製品差別化の核に据えています。今後の注目点は「各社のAIソフトスタックがどれだけ開発者・ユーザーに受け入れられるか」と「ミドルレンジ製品へのAI機能の水平展開(=価格帯での実効性能向上)」です。興味がある読者は各社の製品ページや基調講演動画を追うことをおすすめします。NVIDIAAdvanced Micro Devices, Inc.Newsroom
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補足:この記事は各社公式発表・信頼できる報道をもとに情報を整理したもので、執筆者の実地体験ではありません。原典や公式リリースを確認したい場合は、NVIDIA/AMD/Intel/ASUS/COMPUTEXの公式ページをご参照ください。NVIDIAAdvanced Micro Devices, Inc.NewsroomASUS プレスルームcomputextaipei.com.tw