新しいパソコンを手に入れた時、箱を開ける瞬間はワクワクしますよね!でも、「さて、何から始めればいいんだろう?」と戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。初期設定をしっかり行うことで、パソコンの性能を最大限に引き出し、安全で快適な使い心地を長く保つことができます。
この記事では、パソコン初心者の方でも安心して取り組めるように、新しいWindowsパソコンを使い始める前にやるべきことをステップバイステップでご紹介します。読み終える頃には、あなたの新しいパソコンが最高の状態で使えるようになっているはずです!
1. 開封から電源オンまで:まずは落ち着いて
新しいパソコンが届いたら、まずは焦らずに開封しましょう。
- 梱包内容の確認: パソコン本体の他に、電源ケーブル、取扱説明書、保証書などが同梱されているか確認します。
- 物理的な接続: 電源ケーブルをパソコンとコンセントにしっかり接続します。デスクトップPCの場合は、モニター、キーボード、マウスも接続しましょう。
- 初回起動: 電源ボタンを押して、パソコンの電源を入れます。メーカーロゴが表示され、初期設定画面に移行するはずです。
2. 初期設定の基本:Windowsセットアップを完了させよう
電源を入れると、Windowsの初期設定画面が表示されます。ここでは、いくつかの項目を設定していきます。
地域とキーボードレイアウトの設定
「国または地域」と「キーボードレイアウト」を選択します。通常は「日本」と「Microsoft IME」で問題ありません。
ネットワーク(Wi-Fi)への接続
インターネットに接続するための設定です。有線LANを使う場合はケーブルを接続するだけでOKですが、無線LAN(Wi-Fi)を使う場合は、表示されたネットワークの一覧から自宅のWi-Fiネットワークを選択し、**パスワード(セキュリティキー)**を入力して接続します。このパスワードは、ルーターの裏や側面に記載されていることが多いです。
【ポイント】 安定したインターネット環境がないと、その後のWindows Updateなどに時間がかかってしまいます。可能な限り、高速で安定した回線に接続しましょう。
Microsoftアカウントでサインイン
Windows 10/11では、Microsoftアカウントでのサインインが推奨されています。Microsoftアカウントでサインインすると、OneDrive(クラウドストレージ)やMicrosoft Store(アプリストア)など、様々なMicrosoftのサービスと連携できるようになります。
- 既に持っている場合: メールアドレスとパスワードを入力してサインインします。
- 持っていない場合: 「作成」を選択して、画面の指示に従ってアカウントを作成します。
- ローカルアカウントで進めたい場合: 特定の条件(インターネットに接続しないなど)を満たせばローカルアカウントでの作成も可能ですが、Microsoftアカウントでの利用が便利です。
【注意】 サインイン後、PIN(暗証番号)の設定を求められることがあります。PINを設定しておくと、パスワードを入力する手間が省けて便利です。
プライバシー設定の選択
位置情報、診断データ、広告IDなど、プライバシーに関する設定項目が表示されます。これらは後から変更することもできますが、初期段階で内容を確認し、必要に応じて設定を変更しておきましょう。基本的には推奨設定で問題ないことが多いです。
3. Windows Update:最新の状態に保つのが安全の第一歩
すべての初期設定が完了し、デスクトップ画面が表示されたら、次に最も重要な作業の一つであるWindows Updateを行います。Windows Updateは、Windowsの機能追加やバグ修正、そして最も重要なセキュリティの脆弱性を解消するために不可欠です。
Windows Updateの手順
- 「スタート」ボタンをクリックし、歯車アイコンの「設定」を開きます。
- 「Windows Update」または「更新とセキュリティ」を選択します。
- 「更新プログラムのチェック」をクリックします。
利用可能な更新プログラムが自動的にダウンロード・インストールされます。
再起動と繰り返しの重要性
ダウンロード・インストールが終わると、再起動を促されます。再起動しないと更新が適用されないため、必ず再起動しましょう。
【ポイント】 一度再起動した後も、もう一度「更新プログラムのチェック」を行うことを強くお勧めします。大きな更新プログラムの場合、数回に分けて適用されることがあるためです。納得いくまで「最新の状態です」と表示されるまで繰り返しましょう。
4. セキュリティソフトの導入:パソコンを守る盾
Windowsには「Windows Defender」(Windows セキュリティ)という標準のセキュリティ機能が搭載されていますが、より強固な保護を求めるのであれば、市販のセキュリティソフトの導入を検討することをおすすめします。
なぜセキュリティソフトが必要なのか?
- ウイルス・マルウェア対策: 悪意のあるプログラムからパソコンを保護します。
- フィッシング詐欺対策: 偽サイトへの誘導を防ぎます。
- ランサムウェア対策: ファイルを暗号化して身代金を要求する攻撃から守ります。
- 迷惑メール対策: 危険なメールを自動でブロックします。
セキュリティソフトの選び方と導入
多くのセキュリティソフトには無料体験版がありますので、いくつか試してみて、自分に合ったものを選ぶのも良いでしょう。
【代表的なセキュリティソフト】
- ノートン
- ウイルスバスター
- ESET
- カスペルスキー
- Avast など
【導入の手順(一般的な流れ)】
- 購入・ダウンロード: パッケージ版を購入するか、公式ウェブサイトからダウンロードします。
- インストール: ダウンロードしたファイルをダブルクリックして、インストールを開始します。画面の指示に従って進めます。
- ライセンス認証: 購入したプロダクトキーなどを入力してライセンス認証を行います。
- 定義ファイルの更新: インストール後、最新のウイルス定義ファイルに更新します。
- クイックスキャン: 初めての実行として、パソコン全体をスキャンしてみましょう。
【注意】 複数のセキュリティソフトを同時にインストールすると、互いに干渉して動作が不安定になったり、最悪の場合OSが起動しなくなる可能性があります。もし別のセキュリティソフトを導入する場合は、Windows Defenderを自動的に無効にする設定になっているか確認するか、手動で無効にするようにしましょう。
5. 不要なソフトのアンインストール:快適な動作のために
新しいパソコンには、メーカーが予めインストールしている「プリインストールソフト」が多数あります。中には便利なものもありますが、全く使わないソフトや、パソコンの動作を重くしてしまうようなソフトも含まれています。これらは思い切ってアンインストールしてしまいましょう。
アンインストールの手順
- 「スタート」ボタンをクリックし、歯車アイコンの「設定」を開きます。
- 「アプリ」を選択し、左側のメニューから「アプリと機能」をクリックします。
- インストールされているアプリの一覧が表示されます。
リストの中から不要なアプリを探し、クリックして「アンインストール」を選択します。
アンインストールすべきアプリの見極め方
- 使わないと明確にわかるもの: ゲーム、特定のメーカー製のユーティリティソフトなど。
- 試用期間が終了しているもの: オフィスソフトの試用版など。
- 重複している機能のソフト: 例えば、画像ビューアーが複数ある場合など。
- よくわからないものは一旦保留: システムに深く関わるソフトを安易にアンインストールすると、不具合の原因になることもあります。不安な場合は、そのソフトの名前でインターネット検索し、機能や必要性を調べてから判断しましょう。
【ポイント】 アンインストールしてもすぐに容量が空くわけではありません。再起動することで反映されることもあります。
6. アカウント設定と同期:自分好みにカスタマイズ
ここからは、より快適にパソコンを使うためのカスタマイズです。
アカウント(ユーザー)設定
「設定」の「アカウント」から、ユーザー名やサインインオプション(PIN、パスワード、顔認証など)を設定できます。
- パスワードの変更・管理: 定期的なパスワード変更はセキュリティ上重要です。
- サインインオプション: PINやWindows Hello(顔認証・指紋認証)を設定すると、より素早く安全にサインインできます。
同期設定
Microsoftアカウントでサインインしている場合、「設定」の「アカウント」にある「Windowsのバックアップ」や「設定の同期」をオンにしておくと、別のWindowsデバイスと設定や情報を同期できるようになります。壁紙やテーマ、パスワード、言語設定などが同期され、複数のパソコンを使う場合に便利です。
7. その他の便利設定:さらに使いやすく
ディスプレイ設定の最適化
「設定」の「システム」から「ディスプレイ」を選択します。
- 解像度: モニターに合った最適な解像度になっているか確認しましょう。通常は「推奨」と表示されているものが最適です。
- テキスト、アプリ、その他の項目のサイズ変更: 文字やアイコンが小さすぎると感じる場合は、ここで大きくすることができます。
- ナイトライト: 夜間にブルーライトを軽減し、目の疲れを和らげる機能です。設定で有効にすると、指定した時間帯に画面の色が暖色系に変化します。
プライバシー設定の再確認
Windowsの初期設定時にも確認しましたが、「設定」の「プライバシーとセキュリティ」から、詳細なプライバシー設定を行うことができます。
- アプリのアクセス許可: マイク、カメラ、位置情報など、各アプリがアクセスできる情報を細かく設定できます。
- 診断とフィードバック: Microsoftへのデータ送信設定です。
デフォルトアプリの設定
ウェブブラウザ、メールソフト、写真ビューアーなど、特定のファイルを開く際にどのアプリを使用するかを設定できます。
- 「スタート」ボタンをクリックし、歯車アイコンの「設定」を開きます。
- 「アプリ」を選択し、左側のメニューから「既定のアプリ」をクリックします。
- 目的のファイルの種類やリンクの種類を選び、使用したいアプリを選択します。
バックアップの設定(重要!)
万が一のトラブルに備えて、データのバックアップ設定をしておくことは非常に重要です。
- ファイル履歴: Windows標準の機能で、特定のフォルダーのファイルを定期的にバックアップしてくれます。外付けHDDやネットワークドライブが必要です。
- クラウドストレージの利用: OneDriveやGoogle Driveなど、クラウドストレージにファイルを保存しておくと、パソコンが故障してもデータが失われる心配がありません。
【ポイント】 大切なデータは、常に複数の場所にバックアップする「3-2-1ルール」を意識すると良いでしょう。
- 3つのコピー(オリジナル+2つのバックアップ)
- 2つの異なる種類のメディアに保存
- 1つはオフサイト(物理的に離れた場所、クラウドなど)に保存
8. ソフトウェアのインストール:必要なものを追加しよう
ここまででパソコンの基本的な準備は整いました。ここからは、あなたがパソコンでやりたいことに合わせて、必要なソフトウェアをインストールしていきましょう。
ウェブブラウザ
WindowsにはEdgeが標準で搭載されていますが、Chrome、Firefoxなど、使い慣れたブラウザをインストールする方も多いでしょう。
オフィスソフト
文書作成、表計算、プレゼンテーションなどに必要なソフトです。
- Microsoft Office: Word, Excel, PowerPointなど。永続ライセンス版やMicrosoft 365のサブスクリプション版があります。
- 無料の代替ソフト: LibreOffice, Apache OpenOffice など。
メールソフト
Outlookを使う方もいれば、Gmailなどのウェブメールを使う方もいるでしょう。
その他
- 圧縮・解凍ソフト: ファイルをまとめて送る際などに便利です。(例: 7-Zip, Lhaplus)
- 画像編集ソフト: 写真の加工に。(例: GIMP, Paint.NET)
- 動画再生ソフト: 標準のメディアプレイヤー以外にも、より多くの形式に対応したソフト。(例: VLC Media Player)
- コミュニケーションツール: Zoom, LINE, Slackなど。
【ポイント】 ソフトウェアをインストールする際は、必ず公式のウェブサイトからダウンロードしましょう。怪しいサイトからダウンロードすると、マルウェアなどが含まれている可能性があります。
9. ドライバーの更新:性能を最大限に引き出す
ドライバーとは、パソコンの各パーツ(グラフィックボード、サウンドカード、ネットワークアダプターなど)とWindowsを連携させるためのソフトウェアです。最新のドライバーを適用することで、パフォーマンスの向上や不具合の解消が期待できます。
ドライバーの更新方法
- Windows Update: 多くのドライバーはWindows Updateを通じて自動的に更新されます。前述の「Windows Update」を繰り返し実行し、最新の状態に保つことが重要です。
- メーカー製PCの場合: パソコンメーカーのサポートサイトにアクセスし、お使いのモデルの最新ドライバーをダウンロードしてインストールします。
- パーツメーカーのサイト: グラフィックボード(NVIDIA, AMDなど)や特定の周辺機器などは、それぞれのメーカーのウェブサイトから最新ドライバーをダウンロードできます。
【注意】 安易に古いドライバーをインストールしたり、互換性のないドライバーをインストールすると、動作が不安定になることがあります。基本的にはWindows Updateで自動更新されるものを使い、問題がある場合にのみ個別にドライバー更新を検討しましょう。
10. パフォーマンスの最適化:サクサク快適に!
初期設定が終わっても、さらに快適に使うための最適化は可能です。
スタートアップアプリの管理
パソコンの起動時に自動的に立ち上がるアプリが多いと、起動が遅くなったり、動作が重くなったりします。
- 「Ctrl + Shift + Esc」を押して「タスクマネージャー」を開きます。
- 「スタートアップアプリ」タブ(または「スタートアップ」タブ)をクリックします。
- リストの中から、起動時に自動的に起動する必要のないアプリを選択し、「無効にする」をクリックします。
ディスククリーンアップ
不要な一時ファイルなどを削除して、ディスク容量を確保し、動作を軽くします。
- 「スタート」ボタンをクリックし、「Windows 管理ツール」フォルダ(または「Windows システム ツール」)の中の「ディスククリーンアップ」を選択します。
- クリーンアップしたいドライブを選択し、「OK」をクリックします。
- 削除したいファイルにチェックを入れ、「OK」をクリックします。
ストレージセンサーの利用(Windows 10/11)
「設定」の「システム」から「ストレージ」を選択し、「ストレージセンサー」をオンにすると、一時ファイルやゴミ箱の中身などを自動で削除してくれます。
まとめ:あなたのパソコンは準備万端!
これで、あなたの新しいパソコンの初期設定と準備は万端です!
この記事でご紹介したステップを一つずつこなすことで、セキュリティが強化され、快適に動作し、あなたの使い方に合った最適な環境を構築できたはずです。
パソコンは一度設定すれば終わり、というものではありません。定期的なWindows Updateの実行、セキュリティソフトの定義ファイル更新、不要なファイルの整理など、日々のメンテナンスも大切にしていきましょう。
もし途中で「これはどうすればいいんだろう?」と迷うことがあれば、遠慮なくインターネットで検索してみてください。多くの情報が見つかるはずです。
新しいパソコンとの生活を、どうぞ存分にお楽しみください!