パソコンを買うときや、自作パソコンを始めたいと考えたときに出てくる言葉のひとつが「グラフィックボード」です。でも、「そもそもそれって何?」「なくてもパソコンは動くの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、パソコン初心者の方でも分かりやすいように、グラフィックボード(GPU)の役割や必要性、選び方までやさしく解説していきます。
グラフィックボードってなに?
まず、グラフィックボード(略して「グラボ」とも言います)とは、「映像や画像の処理を専門に行う部品」のことです。
もう少し具体的にいうと、あなたがパソコンでゲームをしたり、映画を見たり、写真や動画を編集したりするとき、その映像を画面に表示するためには複雑な計算が必要です。その「計算」を担当してくれるのがグラフィックボードなのです。
パソコンにはもともと「CPU(中央処理装置)」という脳のような部品がありますが、グラフィックに関する処理は非常に重たいので、専用の部品として「GPU(Graphics Processing Unit)」が使われます。グラフィックボードにはこのGPUが搭載されています。
グラフィックボードとCPUの違い
「CPUとGPU、似たようなものじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。確かにどちらも「処理をする」ための装置ですが、得意分野が違います。
-
CPU:なんでもこなす万能選手。Office作業やWeb閲覧、基本的な操作はこれがメイン。
-
GPU:映像・画像に特化した専門選手。ゲーム、動画編集、3D設計などで活躍。
たとえば、絵を描くときに、鉛筆でちまちま描いていたのがCPU、太い筆で一気に色を塗れるのがGPU、というイメージです。
グラフィックボードが必要な場面
では、どんなときにグラフィックボードが「必要」になるのでしょうか? 主に以下のような用途がある場合、グラフィックボードがあると非常に効果的です。
1. PCゲーム
グラボの代表的な用途です。最新の3Dゲームは、高画質でなめらかな動きを求められるため、GPUの性能が重要になります。グラボがないと、画面がカクカクになったり、起動すらできないこともあります。
2. 動画編集・写真加工
4K動画の編集や、Photoshopなどでの高解像度画像の加工は非常に重い作業。GPUがあれば、エフェクト処理や書き出し時間が大幅に短縮されます。
3. 3Dモデリング・CAD作業
建築設計や3Dプリンター用のデータ作成、アニメ制作などを行う人には必須です。
4. 複数画面・高解像度出力
4Kモニターやデュアルディスプレイなど、複数の画面に対応したい場合も、専用のグラボがあるとスムーズです。
グラフィックボードが「なくてもいい」場合
逆に、以下のような使い方しかしない方には、グラフィックボードは必須ではありません。
-
ネットサーフィン
-
YouTubeやNetflixなどの動画視聴
-
WordやExcelなどの事務作業
-
オンライン会議
最近のパソコンには、「内蔵GPU」と呼ばれる簡易的なグラフィック処理機能がCPUに搭載されていることが多く、軽めの用途ならそれで十分です。
グラフィックボードの選び方
いざグラフィックボードが必要になったとき、どれを選べばいいのでしょうか?ここでは基本的なポイントを紹介します。
1. 用途に合った性能を選ぶ
-
軽いゲームやフルHD動画編集 → 中級クラス(例:NVIDIA GTX 1660, RTX 3050)
-
重いゲームや4K動画編集、3D制作 → 上級クラス(例:RTX 4070, RTX 4080)
-
事務作業中心 → グラボ不要 or ローエンドモデル
2. 予算とのバランス
高性能なグラボは高価(10万円以上)ですが、ミドルクラスなら3〜5万円程度で十分な性能が得られることもあります。自分の使用目的にあわせて、過剰スペックにならないように選びましょう。
3. 電源とケースサイズに注意
グラフィックボードは消費電力が高いため、パソコンの電源ユニットがそれに対応しているか確認が必要です。また、サイズも大きいものが多いため、パソコンケースに収まるかどうかも重要です。
おすすめの初心者向けグラフィックボード
ここでは、2025年時点でコスパのよい初心者向けグラフィックボードをいくつか紹介します。
-
NVIDIA GeForce GTX 1650:価格も安く、軽いゲームや編集には十分
-
NVIDIA RTX 3050:エントリー向けながらレイトレーシング対応、人気モデル
-
AMD Radeon RX 6600:コストパフォーマンスが高く、ゲームも快適
まとめ
グラフィックボードは、パソコンの「映像担当」であり、特にゲームや映像制作をする人にとっては非常に重要なパーツです。しかし、全ての人に必要というわけではありません。自分の使い方に合わせて、必要性をしっかり見極めましょう。
初心者のうちは難しく感じるかもしれませんが、基本的な仕組みさえ理解できれば、パソコン選びやカスタマイズの幅がグッと広がります。ぜひ今回の記事を参考にして、自分にぴったりのパソコン環境を整えてみてください。