2025年でもGTX1050Tiは使えるのか?性能・用途・最新モデルとの比較まで徹底解説!
はじめに
2016年に登場したNVIDIAのGeForce GTX 1050 Tiは、当時ミドルレンジGPUとして多くのユーザーに支持されました。しかし、2025年現在でもこのGTX 1050 Tiは現役で使えるのでしょうか?この記事では、その性能や実用性、最新GPUとの比較、そしてGTX 1050 Tiで今何ができるのかを徹底的に解説します。
GTX 1050 Tiの基本スペックと特徴
GTX 1050 TiはPascalアーキテクチャに基づいたGPUで、以下のようなスペックを持っています:
- CUDAコア数:768
- ベースクロック:1290MHz(ブーストクロック:1392MHz)
- VRAM:4GB GDDR5
- メモリバス幅:128bit
- TDP:75W(外部電源不要)
このGPUは補助電源を必要とせず、ローエンドや省電力PCに最適な構成でした。また、コストパフォーマンスに優れていたため、エントリーゲーマーや自作PC初心者にも人気がありました。
2025年のゲーム環境と1050 Tiのパフォーマンス
2025年現在、ゲームのグラフィックはさらに高精細になり、4Kやレイトレーシング、DLSS 3.0などが一般化しています。その中でGTX 1050 Tiがどこまで通用するのかを考えてみましょう。
実際のゲームでのパフォーマンス(フルHD)
- Fortnite(パフォーマンスモード):中設定で60fps前後
- Apex Legends:低~中設定で50〜60fps
- VALORANT:中~高設定で100fps以上
- Cyberpunk 2077:最低設定で20〜30fps、実用は難しい
- Minecraft(シェーダーなし):快適動作
結論として、軽量~中程度のゲームならフルHDでも十分プレイ可能です。とはいえ、最新のAAAタイトルを高設定で快適にプレイするのは厳しいでしょう。
GTX 1050 Tiは何に使える?
1. eスポーツ・軽量ゲーム
前述のとおり、『VALORANT』『League of Legends』『Dota 2』など軽量なeスポーツタイトルであれば、2025年でも十分なパフォーマンスを発揮します。
2. 動画視聴・編集(軽度)
YouTubeの4K視聴や、フルHDレベルでの簡単な動画編集(DaVinci ResolveやPremiere Proの軽作業)は問題なくこなせます。
3. 学習用途(AI/機械学習には不向き)
CUDA対応GPUではありますが、VRAM 4GBでは現代の機械学習用途にはスペック不足です。深層学習モデルの訓練などには向きません。
4. オフィス用途・マルチモニター
DisplayPortやHDMI出力による複数モニター環境の構築にはまだまだ現役。Excel、Word、Zoomなどの使用には過剰ともいえる性能です。
最新GPUとの比較(2025年時点)
ここでは、エントリークラスで人気のある最新GPUとGTX 1050 Tiを比較してみましょう。
モデル | 発売年 | VRAM | TDP | ゲーム性能(相対) | レイトレーシング | DLSS |
---|---|---|---|---|---|---|
GTX 1050 Ti | 2016 | 4GB | 75W | 1.0(基準) | 非対応 | 非対応 |
GTX 1650 Super | 2019 | 4GB | 100W | 約1.5倍 | 非対応 | 非対応 |
RTX 3050 | 2022 | 8GB | 130W | 約2.5倍 | 対応 | DLSS 2.0 |
RTX 4060 | 2023 | 8GB | 115W | 約4倍 | 対応 | DLSS 3.0 |
この表からわかるように、GTX 1050 Tiは世代的にも性能的にも大きく見劣りします。ただし、その分TDPが低く、電源や冷却の制約があるPCには魅力的な選択肢です。
中古市場とコストパフォーマンス
GTX 1050 Tiは中古市場でも根強い人気があります。2025年現在、中古価格は5,000円〜8,000円程度となっており、格安でゲーミング環境を整えたい人には依然として候補になります。ただし、価格と性能のバランスでいえば、少し予算を足してGTX 1650 SuperやRTX 2060を狙うほうがコスパは高いでしょう。
結論:GTX 1050 Tiはまだ使えるが、役割は限定的
GTX 1050 Tiは2025年でも用途を選べば”まだまだ使える”GPUです。特にeスポーツ系の軽量ゲームや、日常的なPC作業では今も十分に機能します。しかし、最新ゲームやAI用途、4K動画編集などには性能が追いつかないのが現実です。
もし今からGTX 1050 Tiを導入するのであれば、用途を明確にした上で中古で安く入手するのが賢い選択です。そして、将来的にアップグレードも視野に入れた構成を検討することが重要です。
アップグレード候補の紹介
GTX 1050 Tiからのアップグレードを考えるなら、以下のGPUが2025年時点でおすすめの選択肢になります。用途や予算に応じて分類して紹介します。
✅ 1. コスパ重視派におすすめ(中古・1〜2万円台)
【GTX 1660 Super】
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VRAM:6GB GDDR6
-
性能:GTX 1050 Tiの約2.5倍
-
特徴:補助電源が必要だが、フルHDゲーミングには十分
【RTX 2060】
-
VRAM:6GB GDDR6
-
性能:約3倍
-
特徴:レイトレーシングとDLSS 2.0に対応、近年のゲームも快適
✅ 2. 新品で手堅くいきたい人向け(2〜4万円台)
【RTX 3050】
-
VRAM:8GB
-
性能:GTX 1050 Tiの約2.5〜3倍
-
特徴:DLSSとレイトレ対応、エントリー向けRTXとして安定人気
【RX 6600(AMD)】
-
VRAM:8GB
-
性能:RTX 3050以上、価格は同等
-
特徴:コスパ良し、DLSS非対応だがFSRに対応
✅ 3. 長く使いたい派・余裕ある構成に(5万円以上)
【RTX 4060 / 4060 Ti】
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VRAM:8GB〜16GB(Tiモデル)
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性能:GTX 1050 Tiの約4〜5倍
-
特徴:DLSS 3.0対応、最新世代の機能を網羅
【RX 7600(AMD)】
-
VRAM:8GB
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性能:RTX 4060と同等
-
特徴:コストパフォーマンスが非常に高い
おすすめの選び方
用途 | 推奨GPU |
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軽量ゲーム+低予算 | GTX 1650 Super / GTX 1660 Super |
フルHDゲーミング | RTX 2060 / RTX 3050 / RX 6600 |
長期的な運用 | RTX 4060 / RX 7600 |
構成のアドバイス
GTX 1050 Tiからアップグレードする際のPC構成アドバイスを、3つの予算帯に分けて紹介します。目的は「快適なフルHDゲーミング」とし、最新ゲームにもある程度対応できるバランス重視の構成です。
🔰【予算7万円台:中古活用・エントリー構成】
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CPU:Intel Core i5-10400 / Ryzen 5 3600(中古)
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GPU:GTX 1660 Super(中古)
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メモリ:16GB(8GB×2、DDR4-2666以上)
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ストレージ:SSD 500GB(SATAでもOK)
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電源ユニット:500W 80+ Bronze
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マザーボード:B460(Intel)またはB450(AMD)
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OS:Windows 10/11(ライセンス流用or格安版)
🔹 GTX 1050 Tiの倍以上の性能にアップしつつ、全体的にコスパ重視の構成。
⚙️【予算12万円台:新品中心・バランス構成】
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CPU:Intel Core i5-13400 / Ryzen 5 5600
-
GPU:RTX 3050 / RX 6600
-
メモリ:16GB DDR4-3200
-
ストレージ:SSD 1TB NVMe
-
電源ユニット:600W 80+ Bronze or Gold
-
マザーボード:B660(Intel)/ B550(AMD)
🔹 最新ゲームも中〜高設定で安定、DLSSやFSRに対応して長く使える。
🛡️【予算18万円以上:長期運用・高性能構成】
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CPU:Intel Core i5-14600K / Ryzen 5 7600X
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GPU:RTX 4060 Ti / RX 7700 XT
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メモリ:32GB DDR5(5600MHz前後)
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ストレージ:SSD 1TB NVMe Gen4
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電源ユニット:650W〜750W 80+ Gold
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マザーボード:Z790 / B650E など(将来の拡張性重視)
🔹 最新技術に対応しつつ、今後の4年を見据えた構成。動画編集やAI用途にも。
注意点とアドバイス
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電源容量の確認:GTX 1050 TiからRTX系に替えるなら電源交換は必須。
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PCケースのサイズ:大型GPUは奥行き30cm近くあるものも。事前確認を。
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中古活用も視野に:CPUやメモリは中古市場で安く性能を確保可能。
まとめ
時代遅れと見られがちなGTX 1050 Tiですが、正しく使えば2025年でも立派に活躍できます。必要なのは、パーツの”スペック”だけではなく、”適材適所”という視点です。今あるものをどう使うか――その発想が、賢いPCライフを支えるのです。