ゲームや動画編集、3DCG制作など、高負荷な作業には「グラフィックボード(GPU)」の性能が重要です。しかし、いざ選ぼうとすると「RTX?GTX?VRAM?どれがいいの?」と疑問が次々に湧いてくるのではないでしょうか。
この記事では、グラフィックボードの基礎知識から選び方、おすすめモデルまでをわかりやすく解説します。これからPCをカスタマイズしたい人、ゲーミングPCを検討している人は必見です。
グラフィックボードとは?
グラフィックボード(GPU)は、映像や画像を描画・処理する専用パーツです。CPUが全体の演算処理を担当するのに対して、GPUは3Dグラフィックスや映像の処理に特化しています。
例えば以下のような用途でGPUの性能が求められます:
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PCゲーム(高フレームレート&高画質)
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動画編集(4K編集、エンコード)
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3DCG制作(モデリング、レンダリング)
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AI学習(機械学習、ディープラーニング)
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マルチモニター出力、高解像度出力
グラフィックボードの選び方
1. 用途で選ぶ
用途 | 推奨GPU例(2025年時点) |
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軽量ゲーム(LoL、Minecraftなど) | NVIDIA GTX 1650~1660、RTX 3050 |
最新ゲーム(高画質設定) | NVIDIA RTX 4060~4070、AMD RX 7600 |
4Kゲーム、レイトレーシング重視 | NVIDIA RTX 4080~4090 |
動画編集・3DCG制作 | VRAM12GB以上のGPU(RTX 4070以上推奨) |
2. VRAM(ビデオメモリ)の容量
GPUの処理速度だけでなく、VRAMの容量も重要です。VRAMが多いほど、より高解像度のテクスチャや映像を扱えます。
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4GB:軽量ゲーム、フルHD編集
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6〜8GB:最新ゲーム、基本的な動画編集
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12GB以上:4K編集、3DCG、AI開発向け
3. NVIDIA vs AMD
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NVIDIA(GeForce):Ray Tracing性能や動画編集ソフトとの互換性に優れる。DLSSなどの機能も魅力。
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AMD(Radeon):コスパが良く、特に中~高性能帯で価格対性能比が高い。
ゲーム用途にはNVIDIAがやや有利、コスパ重視ならAMDも選択肢に入ります。
2025年おすすめグラフィックボードランキング
第1位:NVIDIA GeForce RTX 4070 Super
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【特徴】高性能&省電力。レイトレ対応でWQHD〜4Kまで快適。
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【価格帯】10~12万円前後
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【おすすめ用途】最新ゲーム、動画編集、軽い3DCG
第2位:AMD Radeon RX 7800 XT
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【特徴】WQHD性能に優れたコスパ最強GPU。
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【価格帯】8〜10万円
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【おすすめ用途】ゲーム、映像制作
第3位:NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti(8GB / 16GB)
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【特徴】消費電力が低く、フルHDゲームに最適。
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【価格帯】5〜8万円
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【おすすめ用途】エントリーユーザー、動画編集
よくある質問(FAQ)
Q1. CPUとのバランスは重要?
はい、重要です。例えば、ハイエンドGPUにローエンドCPUを組み合わせると、CPUがボトルネックとなりGPUの性能を活かしきれません。RTX 4080クラスなら、Ryzen 7やIntel Core i7以上のCPUを推奨します。
Q2. ノートPCのGPUはどうなの?
ノートPCにもRTXシリーズなどが搭載されていますが、同じ型番でも性能はデスクトップ版より低めです。性能が必要な場合はデスクトップをおすすめします。
Q3. 中古のGPUは買ってもいい?
保証がなく、前ユーザーの使い方に依存するためリスクはあります。ただし、信頼できるショップの整備済み品なら検討の価値はあり。
2025年現在、パソコン初心者の方におすすめのグラフィックボードを選ぶ際には、以下の点を考慮すると良いでしょう。
- 手頃な価格帯: まずは予算を抑えつつ、基本的な用途で困らない性能を持つモデルがおすすめです。
- フルHD(1920×1080)での安定した性能: 多くのPCモニターはフルHD解像度なので、この解像度で快適に動作することが重要です。
- 比較的低い消費電力: 電源ユニットへの負担が少なく、発熱も抑えられるため、安心して使えます。
- 入手しやすいモデル: 供給が安定していて、店頭やオンラインで比較的簡単に入手できるモデルが望ましいです。
これらの点を踏まえると、2025年のパソコン初心者の方におすすめのグラフィックボードは以下のモデルが挙げられます。パソコン初心者におススメするグラフィックボードモデル(2025年版)
パソコン初心者におススメするグラフィックボードモデル(2025年版)
1. NVIDIA GeForce RTX 5060 / 5060 Ti (新世代のおすすめ)
- リリース時期: RTX 5060 Tiは2025年4月、RTX 5060は2025年5月に発売されたばかりの新世代モデルです。
- おすすめポイント:
- フルHDゲーミングの最適解: 多くの最新ゲームをフルHD解像度で快適にプレイできる性能を持っています。高画質設定でも60fps以上を狙えるでしょう。
- DLSS 3.5対応: NVIDIA独自のアップスケーリング技術であるDLSS(Deep Learning Super Sampling)に対応しており、対応ゲームではさらなるフレームレート向上や画質維持が期待できます。特にDLSS 3.5はレイトレーシング性能の向上にも寄与します。
- AI性能の向上: 新しいBlackwellアーキテクチャにより、AI関連の処理能力も向上しています。将来的にAIを活用したクリエイティブ作業に興味を持った際にも役立つでしょう。
- 比較的低めの消費電力: 前世代の同クラスと比較しても効率が向上しており、ミドルレンジモデルとしては扱いやすい消費電力です。
- 留意点: 新製品のため、発売直後はやや品薄になる可能性や、価格が安定するまでに時間がかかる可能性があります。
2. AMD Radeon RX 7600 XT / RX 7600 (コストパフォーマンス重視)
- リリース時期: RX 7600 XTは2024年1月、RX 7600は2023年5月に発売されたモデルです。
- おすすめポイント:
- 優れたコストパフォーマンス: NVIDIAの同等クラスの製品と比較して、より手頃な価格で同等以上のゲーミング性能を提供することが多いです。
- フルHDゲーミングに最適: ほとんどのゲームをフルHD解像度で快適にプレイできます。特にRX 7600 XTはVRAMが16GBと豊富で、高解像度テクスチャを使用するゲームや、将来的なゲームへの対応力も高いです。
- FSR (FidelityFX Super Resolution) 対応: AMD独自のアップスケーリング技術であるFSRに対応しており、多くのゲームでフレームレートを向上させることができます。
- 留意点: レイトレーシング性能はNVIDIAのRTXシリーズに一歩譲る傾向があります。
3. NVIDIA GeForce RTX 4060 / 4060 Ti (型落ちだが安定した選択肢)
- リリース時期: RTX 4060 Tiは2023年5月、RTX 4060は2023年6月に発売されたモデルです。
- おすすめポイント:
- 価格が安定している: 新しいRTX 50シリーズの登場により、価格が手頃になりやすい時期です。
- フルHDゲーミングに十分な性能: ほとんどのゲームをフルHD解像度で快適にプレイできます。
- DLSS 3対応: 前世代のDLSSですが、十分に効果を発揮します。
- 入手しやすい: 多くのショップで在庫があり、選択肢が豊富です。
- 留意点: 新世代のRTX 50シリーズが登場したため、将来的な性能の伸びしろではRTX 5060/5060 Tiに劣ります。しかし、価格を抑えたい場合には有力な選択肢です。
選ぶ際の補足アドバイス
- 搭載VRAM(ビデオメモリ): フルHDゲーミングであれば、最低でも8GBのVRAMを推奨します。最新のゲームや少し高画質な設定で遊びたい場合は、12GB~16GBあると安心です。
- CPUとのバランス: グラフィックボードだけ高性能でも、CPUがボトルネックになると性能を十分に引き出せません。一般的なゲーミングPCであれば、CPUはCore i5(最新世代)やRyzen 5(最新世代)クラスがあれば十分バランスが取れます。
- 電源ユニット: グラフィックボードの消費電力に見合った電源ユニット(PSU)が必要です。グラフィックボードの製品ページや推奨PCスペックを確認し、最低限必要なワット数を確認しましょう。
- PCケースのスペース: グラフィックボードはサイズが大きいものも多いので、PCケースに収まるか事前に確認しましょう。
パソコン初心者の方にとって、最初は少し難しく感じるかもしれませんが、上記のモデルから用途と予算に合ったものを選べば、快適なPCライフを送れるはずです。購入前に、プレイしたいゲームの推奨スペックや、予算なども考慮して最終的な判断をしてください。