GTX 960:今なお現役?その性能、用途、そして将来性
GeForce GTX 960。2015年にNVIDIAから発売されたこのミドルレンジGPUは、発売から約10年が経った今でも、その名を聞くことがあるのではないでしょうか。しかし、果たして現代のPC環境において、GTX 960はどのような立ち位置にあるのでしょうか?その性能、最適な用途、そして将来性について深く掘り下げていきます。
GTX 960の基本性能を振り返る
GTX 960は、Maxwellアーキテクチャを採用したGPUです。当時としては電力効率に優れ、ミドルレンジながらもフルHD環境でのゲームプレイを十分にこなせる性能を持っていました。
主なスペックは以下の通りです。
- CUDAコア数: 1024基
- ベースクロック: 1127 MHz
- ブーストクロック: 1178 MHz
- メモリ: 2GBまたは4GB GDDR5 (128-bit)
- TDP: 120W
特に2GB版と4GB版が存在し、高解像度テクスチャを多用するゲームでは4GB版が有利とされていました。
GTX 960の将来性:今から導入する価値はあるか?
現在、新品のGTX 960が流通することはほとんどなく、中古市場での入手が主となります。今からGTX 960をメインGPUとして導入することは、**「おすすめできる状況が限られる」**と言わざるを得ません。
- メリット:
- 中古市場で安価に入手できる可能性がある。
- 比較的消費電力が低い。
- 古いPCの延命や、サブPCの構築には使える。
- デメリット:
- 最新ゲームのプレイは難しい。
- 新しいAPI (DirectX 12 Ultimateなど) や技術 (DLSS、FSRなど) には対応していない。
- ドライバーサポートの終了が近づいている。
- 後継GPUと比較して性能が劣る。
もし今からPCを組むのであれば、価格が手頃になりつつあるGTX 1650やRX 6400など、より新しい世代のGPUを検討することをお勧めします。これらはGTX 960よりも高い性能と新しい機能を持っており、将来性も高いと言えます。
競合・後継GPUとの比較
GTX 960が発売された当時の競合製品や、その後の後継製品と比較してみましょう。
上表からもわかるように、GTX 960は登場から時間が経ち、現在のエントリークラスのGPUと比較しても性能面で劣る場面が増えています。特に電力効率や新しい技術への対応を考えると、現行世代のGPUが有利です。
2025年でもGTX 960は使えるのか?今なお魅力を感じる5つの理由
かつてミドルレンジGPUの名機として人気を博したNVIDIA GeForce GTX 960。発売からすでに10年が経過していますが、「いまさらGTX 960を使うなんて」と言われながらも、意外なほど“使える”GPUなのをご存じでしょうか?
今回は、2025年現在でもGTX 960がどんな用途に使えるのか、なぜ今でも購入を検討する価値があるのかを徹底解説します。
1. ライトゲーミングにはまだまだ現役
GTX 960は、1080p中設定でのゲーミングに十分対応可能です。以下のようなゲームなら、快適に遊ぶことができます。
-
『VALORANT』:高設定で100fps超えも可能
-
『Minecraft(Java版)』:Shaderを使わなければ余裕
-
『Apex Legends』:中設定で60fps前後
eスポーツ系の軽量ゲームであれば、今でも**“遊べるGPU”**として成立します。
2. 動画再生・ストリーミングに強い
GTX 960にはハードウェアデコード支援機能(NVENC)があり、YouTubeの4K動画再生もスムーズです。メディアPCやストリーミングPCとしても活用可能。
3. 低価格帯で手に入る掘り出し物
2025年現在、中古市場で3,000〜6,000円台で出回っています。GPU価格が高騰していた時代と比べると、この価格は非常に魅力的です。
4. レトロPCやサブ機に最適
GTX 960は補助電源(6pin)1本だけで動作可能なモデルが多く、古い電源ユニットでも安心。Windows 10環境下での安定性も高く、サブ機用としてぴったりです。
5. Linuxやエミュレータ環境で大活躍
Linuxとの相性も良く、Steam Deck風の自作ポータブルゲーム機やRetroArch、PCSX2などのエミュレータ環境でも十分なパフォーマンスを発揮します。
■ どんな人におすすめ?
-
初めてのPC自作に挑戦したい人
-
格安でライトゲーミングPCを構築したい人
-
古いPCの延命・再活用を検討している人
-
エミュレーターやストリーミング用のサブGPUが欲しい人
【要注意】2025年にGTX 960を買ってはいけない人の5つの特徴
GTX 960はかつて人気を誇ったGPUですが、2025年の今、すべての人におすすめできるわけではありません。安いからといって飛びついてしまうと、「期待外れだった…」と後悔するかもしれないのです。
この記事では、GTX 960の購入をおすすめしない人の特徴を5つ紹介し、なぜ向いていないのかをわかりやすく解説します。
■ 1. 最新ゲームを高画質・高fpsで遊びたい人
GTX 960はDirectX 12世代の初期GPUであり、最新タイトル(特にAAAゲーム)を高設定・高フレームレートで遊ぶのは厳しいです。
たとえば:
-
『Cyberpunk 2077』 → 最低設定でも30fps以下
-
『Helldivers 2』『Alan Wake 2』など → 起動すら困難なことも
レイトレーシングにも非対応。高品質なグラフィックを求めるなら、RTX 20XX番台以降が前提になります。
■ 2. 長期的にPCを使い続けたい人
GTX 960は2025年時点ですでにドライバの更新対象外に近く、今後のゲームやアプリの最適化も期待できません。
-
セキュリティアップデートの終了リスク
-
新しいAPI(Vulkanの最新版など)への対応不備
-
次世代OSやソフトとの互換性問題
今から「5年は使いたい」という人には全く向きません。
■ 3. 高解像度モニター(WQHD / 4K)を使っている人
GTX 960のビデオメモリは2GBまたは4GB。WQHD以上の解像度では、メモリ不足がボトルネックになりやすく、操作もカクつきがちです。
-
Photoshopで高解像度画像を扱う
-
動画編集(4K素材のプレビューなど)
といった作業では、ほぼ力不足です。
■ 4. 静音・省電力を重視する人
GTX 960はTDPが120W程度と高くはないものの、設計が古いため発熱と消費電力の割に性能が低いです。
同価格帯でもっと静かで効率の良いGTX 1650やRX 6400といった新しめの省電力GPUが存在します。
■ 5. 中古に抵抗がある人
2025年現在、GTX 960はほぼ中古市場でしか入手できません。そのため:
-
ファンの異音・劣化
-
オーバークロックされて寿命が縮んでいる個体
-
初期不良や保証なしリスク
などの中古特有の問題があります。これに不安を感じる人は、新品のローエンドGPU(例:GTX 1630)を検討すべきです。
まとめ:GTX 960は“知ってる人には刺さる”1枚
GTX 960は確かに最新のAAAタイトルを高画質で遊ぶには力不足ですが、用途を限定すれば2025年でもまだまだ現役。中古市場で安価に手に入り、今でも「使いどころがある」数少ないGPUの1つです。
あなたの“古いPC”が、“使えるPC”に変わるかもしれません。